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地方独立行政法人 北海道立総合研究機構理事長のつぶやき
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 新しい年を迎えて、道総研も創立8年目を迎えます。顧みれば、理事長として仕事を始めた時、機構の皆さんに「少し長めに」「少し広く」「みんなで力を合わせて」新しい研究機構を道民の生活(Quality of Life)がよりよくなるように働こうと話しました。北海道開拓使以来100年以上の伝統を持つ道の試験所群はそれぞれの分野でよい仕事を続けてきましたが、行政の各部に所属する試験機関として、縦割分野での課題に傾注して成果を上げてきたと思います。20世紀に人類が獲得した最大の科学概念は、システムです。近代前期の20世紀(成長の時代:科学発見時代)までに形成された多くの科学技術要素を、目的に応じて組み合わせるという近代後期(環境の時代:科学技術の時代)の総合化時代の要請です。

 道総研も、この8年余の年月をみんなで力を合わせて、分野横断的に仕事を進め、「食」「エネルギー」「地域」などをキーワードとして成果を上げてきました。次に要請したことは、「研究のアウトカム」を常に意識することの重要さで、特に課題設定に責任を持つ幹部職員に対する期待でした。アウトカムという言葉は理解しにくい部分もありますが、仕事を計画遂行する場合に、その成果が世に人々にどのように受け取られるかを常に考えることです。経済界で「消費者目線」などと言われていることに近いかもしれません。開拓使以来100年以上も試験所・研究所は、自分たちの開発・育成した技術を広く普及する形で北海道の産業を引っ張ってきました。いまや、民間の多くの個人、団体が広く情報を学び高度の試行錯誤を自ら行える状況にあり、大学・高専などに研究の場も広がっています。それらを常に意識して、双方向的に仕事を進めていかないと仕事が非能率、時には間違ったことになってしまうかもしれません。根釧農試が100余頭の牛を使った研究成果を基に仕事を進めることから、民間と組んで数万頭の牧場群の牛の日々のデータを集めて、より高い精度と信頼性で問題を扱い、必要に応じて自らの牛で生理実験を加えるといった方向に進んでくれました。ビッグデータを日頃の酪農家との信頼の上に提供してもらい、提供に応じて確度の高い研究成果を農家に速やかに返すという、近代後期の情報化社会での研究手法を確立しつつあります。嬉しいことです。他の多くの研究所群もぜひ自らの分野で、情報化時代の、しかも民間の技術レベルをも取り込んだ研究システムを工夫してほしいと思います。



 最後になりますが、次の段階に道総研が考えねばならないことは「北海道独自の基本的な仕掛けを作る」ことにあるのではないかと考えます。北海道の弱点は、圧倒的な1次産業を持っていますが、独自の2次、3次産業が十分に展開していなく、大きくても他地域の部品産業に終始し、努力が北海道の基本力になりきれない憾みがあります。独自の完結した産業を「看板と内容」ともに地元のものとして持ち続けられる産業をいくつ作れるかがカギです。大企業が総売り上げを競い全GDPは上がったけれども、利益率はさほど大きくないといった日本経済の近年の低迷から脱却し、中小規模でも特色ある利益率の高い地域産業を北海道に起こしていきたいものです。環境問題を、環境を監視するという発想から、環境を管理運転する仕掛けを作ることに力を尽くしたいと思います。エネルギー問題と水資源問題が近代後期の最大の環境問題になりそうです。22世紀の安定した生存環境の獲得の為に、ソフト・ハード両面の道総研の長期の奮闘が望まれます。



 私も85歳になり、若い頃の様に無理が出来なくなりつつあります。若い方に期待して3月には理事長職を去りたいと思っています。意義のある時間を一緒に勉強させてもらったことを感謝しています。


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プロフィール
HN:
丹保憲仁
年齢:
85
性別:
男性
誕生日:
1933/03/10
趣味:
カメラ
自己紹介:
・主な経歴
 水の安全保障戦略機構議長
 日本水フォーラム副会長
 北海道大学名誉教授(第15代総長)
 放送大学名誉教授(第5代学長)
 第89代土木学会会長
 第2代国際水協会会長
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