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一般財団法人北海道河川財団会長 北海道大学名誉教授(15代総長・放送大学名誉教授(5代学長))
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 平成25年(2013年)の仕事も今日で終わりになります。道総研4年目の大事な年を、みなさんが力を合わせて、道民の今日から未来の日々に向かって役に立ち続けるための科学技術の研究/開発/普及のための努力をして頂きました。22の研究所が並列していた時代を超えて、総合的/立体的に様々な仕事が動き出したことを心強く感じています。個々の研究の課題を自ら努力して選び出し、仲間と力を合わせて遂行していくことを日ごろから行なうという、価値基準を常に念頭に置いて研究のアウトプットが多くの研究所でできるようになりました。総合研究機構進化の第一段階が進んだと実感しています。ご努力有難うございました。

 来る年は、研究成果が社会にどのように受け入れられ、北海道がどのように文明度を上げていくかを考える、戦略的思考・アウトカムをいつも意識の中において仕事を進める実力ある総合研究機構の第二段階を目指したいものと思います。

 お正月休みをしっかりと休んで、次に備えてください。生物を扱い休暇を取りがたい現場の皆さんのご苦労を感謝します。
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おはようございます。
今日は、皆さん、大変おめでとうございます。
良い日になりました。この表彰式にご参加いただきましてありがとうございます。
また、高井副知事にお越しいただきまして、後ほどお話をいただきたいと思います。ありがとうございました。

ただ今、選考過程のご説明をいたしましたけれども、三つのグル-プ、知事表彰をいただくグル-プと、それから理事長表彰を二つのグル-プが受賞するということで、良い仕事をしていただきました。
また、30年間お仕事をしていただきまして、今日まで長いような短い時間だったのだろうと思いますけれども、ご苦労様でございました。まだまだこれからも頑張っていただこうと思っております。よろしくどうぞ。

いただきました色々な資料で勉強いたしますと、今日表彰を受けることになった知事表彰でございますが、「ス-ツ」といっても背中にくっつけるプラスチックの仕掛けでございます。最近、ハンディキャップのある人、お年を召した方が働かなければならないということもありまして、ロボットを含む色々な研究がされておりますが、その一つ、というか、むしろ先駆けというか、難しいメカニックやエレクトロニクスを使わない非常に洒落た、一定の機能を持った面白いものを考えていただきました。これは「コンブス-ツ」という名前で通常言われているようでございます。腰を曲げて作業するということについて、例えば私が何かやれと言われたら、『これをつけることで随分楽になるだろうな』、『雪はねのために、もう少し簡単に改装してくれないかな』と思っておりますけれども、そのような仕事ができたということがひとつでございます。こちらが知事表彰をいただくということになりました。

二つ目は、少し、サイエンティフィック(scientific)なお話しでございますが、DNAマーカ-を開発した長年に渡る仕事でございます。農業試験場のグル-プが仕事をしてこられました。これは、様々な流れの中で、局部まで行くと遺伝子組み換えのような仕事がありますが、日本では、特に北海道では、それをしないということでございまして、そこにコンパラブル(comparable)な能力を与えるようなマーカ-を、きちっと、それもあまり手間暇をかけずに、DNAマーカ-を使ってうまく品種改良をして能率を上げようというものでございます。本当に、北海道の農業試験場が自ら持っている立派な仕事であると思っております。これからも色々な展開があることと思います。これは麦を中心におやりになったと聞いておりますが、これからDNAをベースにするような化学生物工学というのは21世紀の大きな課題でございますので、ご精進いただきたいと思っております。ご苦労様でございました。
それから三つめは、ブナ林の研究でございます。黒松内の辺りが日本のブナの限界だと聞いておりますけれども、林業試験場の道南支場を中心といたしまして、長らく研究をしてこられました。おそらく、東京農業大学の 寺澤 林業試験場前副場長がおられた頃からの仕事がずっと続いているのだと思いますけれども、立派な成果の本を拝見させていただきました。ブナというものは、非常に面白いサイクルを描いて種ができる。なかなか大変でございましたが読み進めてみましたら、素晴らしい科学的な根拠を見つけましたね。しかも、ブナを北限界の中できちっと育てていくためにはどうしたら良いかということで、種を保存するという研究まで進めていらっしゃるということで、道総研として一つの立派な長くまとまった仕事で、業績においても立派なものになって残っていると思います。

そういったこともありまして、この三つの研究は、非常に長い時間を経て立派な成果を上げて、しかも将来に向かっていく展望を色々な分野に開いてくれている研究だろうと思いますので、今日、ささやかではございますけれども、表彰させていただくということにいたしました。
どうも、ご苦労様でございました。

それから、30年間働いていただいた皆様に御礼申し上げます。私ももう80歳を過ぎましたので何年働いたのでしょうか、大学を出てから60年を働いたのでしょうか、そのような気がいたしますけれども、30年というのは短いようで結構長い時間であります。そして、30年前どのような出来事があったのかと考えてみますと、青函トンネルの、おそらく先進導坑ができた年だと思います。それから、東京ディズニ-ランドができたということも、どなたかが教えてくれました。それからもう一つ、大韓航空がサハリン沖の海馬島、ロシア語では何と言ったでしょうか、我々は海馬島と言っている島の沖で、撃墜されました。そして、NHKの「おしん」が流れていた時期であったと記憶しております。
自分のことを振り返りますと、ちょうど1983年、文化大革命が79年に終わりましたので、終わってすぐに、中国の、北は黒竜江省から南は海南島までの大学の、文化大革命の間勉強していなかった講師、若くても40歳代が多かったのですが、講師と高級設計院の工程師(技師)を集めて、西安の大学で60日間、毎日3時間ずつを3カ月近く集中講義をした記憶があります。ちょうど83年ですから、皆さま方が道総研にお入りになった年だったと思います。私はちょうど50歳だったと思いますけれども、そのようなことを思い出しますと30年というのは長い時間でございますし、当時の中国の「よたよたぶり」と言いますか、土曜、日曜は電気がこなくて水道も出なくて、それが今や尖閣諸島という島の所までやってきましたので、大変な30年だったと思います。その間、色々な仕事をしていただいて、道庁の研究所から道総研の研究所になるという大きな転換を含みながら働いていただきました。本当にどうもありがとうございました。
これは働いていただいた方だけじゃなくて、今日表彰された研究の三つのグル-プを含めてでございますけれども、関係の方々、ご親族の方々、仲間の方々のサポ-トがあって、もしかしたら30年の間に病気もなさったかもしれませんけれども、なんとか克服して働いてこられて、本当に良かったことだと思います。まだもう少し時間をかけてお仕事をしていただけたらなと思っております。

道総研ができましたときに理事長を拝命して3年半がたち、4年目になったわけでございますけれども、所属している各部の方針で何かの仕事を行うという、もしかすると、あらかじめ課題が降ってくるような格好での仕事もたくさんあったと思うのです。今もあると思いますが、3年間のうちに皆が自分たちの頭を使って、何が問題であるか、何が課題であるかということをしっかり考えていただいて、仕事をしていただけるようになりました。しかも、22の研究機関が横の人が何をしているかをほとんど知らなかった状況から、今であればもうほとんどの方が色々なことを横目で見ながら、少なくとも自分だけではなくて、道総研として仕事をするようになってきたと思います。そういう意味では、安穏というのでしょうか、努力をしていただいたということと、その努力が成果として表れてくる。これは「アウトプット(output)」という、英語でいうと変な言い方なのですが、「出力が出てきた」という風に思っております。その出力も、かなりまとまった格好の出力が出てきたなと思っておりますが、もう一段、おそらく第二期目が再来年から始まりますけれども、この次はその出力があるだけではなく、『出力が本当に世の中を変えていくことができるのだろうか』、『世の中に役に立っているのだろうか』という、英語で言うと「アウトプット、アウトカム(outcome)」ということになるのですが、道総研はアウトカムに関してはまだまだだと思います。これは、30年以上頑張っていただいた幹部の方々の持っている総合力、問題の判断力、課題のえぐりだし方だと思いますが、今日、立派な仕事をされた三つのグル-プは、アウトカムでも非常に立派なことをしてこられました。皆がアウトカムをしっかり出すということが第二期の大きな仕事になると思いますので、どうぞ、30年のキャリアを活かしていただいて後輩のために、リ-ダ-として働いていただきたいなと思っております。

今日は本当に、色々なことを思い出していただくことになると思うのですが、長い時間、また、これからもしばらくの間、頑張っていただきたいと思いますので、お祝いを兼ねて、どうぞ、よろしくお願いいたします。
今日は、本当におめでとうございました。
自然との共生を目指す国内及び世界のニーズに応えられる研究と人材育成を行う「知床自然大学院大学」を実現するため、今年の1月に設立された(一財)知床自然大学院大学設立財団のニュースレターに、『知床と私』と題した寄稿が掲載されました。
 財団のご厚意によりこのブログにて紹介させていただきます。財団の活動に対するご理解・ご支援をいただければ幸いです。

知床自然大学院大学設立財団ニュースレターvol.1(PDF)
先月、積丹町余別にあるサクラマスサンクチュアリセンターにお邪魔してきました。

このセンターは、サクラマスの生態や余別川流域の自然の豊かさを紹介する施設で、森林や水資源などの環境保全を通じた保護水面の重要性や水産資源の増殖による漁業振興への理解を深める学習・PRの拠点となっています。

積丹町の環境生態系保全技術指導員の河村さんと松井町長がご案内くださり、いろいろと教えていただきました。お忙しい中どうもありがとうございました。



実は河村さんは、我が道総研のOBで、さけます・内水面水産試験場の場長を務められた後、松井町長から積丹町が目指す自然を生かしたまちづくりのためにと招かれ、ずっと研究を続けてきたサクラマスと積丹の森・川・海のつながりをベースにした地域振興に取り組まれています。

道総研では退職された研究職員OBの自発的な研究活動を支援するとともに、貴重な知識や経験を道総研の研究・広報に活かしていただけるよう「道総研フェロー」として登録する制度をつくりました。早速河村さんにも登録していただいたところであり、今後のご活躍の一助となれば幸いです。

道総研には長きにわたる研究活動の積み重ねがあり、歴史と伝統に培われた700名を超える研究職員がおります。こうした人材を最大限に活かして、今後も道民のみなさまの暮らしに貢献していきたいと思います。



 地方独立法人北海道立総合研究機構が発足して、4年目の年度が始まります。独法の仕組みは5年を一期として、組織が運用されます。


 道総研は3年前に道立の理系の22の試験研究機関を統合して発足しました。2-3年の準備期間を経ての事です。百年を超える歴史を持つ研究所もあれば、時代に応じて次々と作られた試験機関もあり、対応する局面の広狭・精粗も様々であり、技術・研究者集団としての錬度も士気もそれぞれでした。


 この3年間は、総合研究機構としての創成期・立上期であり、1,200人の機構職員が未来の北海道のための総合的科学技術研究集団の形成のために力を合わせて働いてくれました。違う伝統や技術の分野で働いてきた諸研究機関が一夜にして総合性を持った組織に成る事は難しい事です。然しながら、私が理事長就任の折にお願いした、北海道の未来のために「少しでも広く」「少しでも深く」「みんなで力を合わせ」「急がずされど休まず(Haste Not 、Rest Not)」という努力を重ねて頂きました。おかげさまで、この3年間に、総合性を持った研究機関を創成したいという当初の望みに、着実で明るい進展が見られたことはうれしい事です。


 理事長として、創成期の3年を共に働き続けていただいた機構の皆様に敬意をこめて感謝の意を捧げたいと思います。また格別なご支援をいただいた、知事はじめ北海道庁の諸部局の皆様に御礼を申し上げたいと思います。


 第4年目になる平成25年度は、第1期中期計画5年の実質の仕上げの年であり、最終の26年度を第2期への準備の年と考えなくては、地方独立行政法人を継続的に充実発展させていくタイムテーブルは作れないと思います。北海道唯一の公設の総合研究機関として、目先の事を超えた視野と時間感覚で仕事を展開していくことが本質的に必要であろうと考えます。一昨年から、第2期中期計画をも視野の隅において、道総研が近未来の研究を進めていくに際して必要と思われる事柄の流れを、道総研本部・研究本部の研究企画集団の共同作業として、「道立総合研究機構基本構想」なる研究計画素案を検討してもらい、わが姿の「現在の有り様・あり得る近未来」を見つくろう作業を進めてきました。


 一方私は、外部からやってきて3年前にこの仲間に加わった理事長として、道総研の研究者集団を構成する諸研究所の個々人・研究グループの考え方・力量を自身の目と耳で確かな形で知りたいと考え、さらにまた60年弱の時間を研究者として働いてきた人間として、何かの経験を個々の研究者に伝える事が出来れば望外の幸いとも考えて、ほとんどの研究所を訪ねて回りました。ほとんどの研究員・研究グループと直接に話が出来て「道立総合研究機構の基本構想」の具体の展開を考える上で大きな財産を得る事が出来ました。畜産試験場と林産試験場の訪問は新年度に残りました。
 概括的な印象・理解を、誤解を恐れずに言うならば「ほとんどの研究員・研究グループは立派な仕事をしている」「少し広目に/縦割りを超えて/諸分野力を合わせてという、理事長着任にあたってお願いした総合研究機構の有りようは随分浸透し定着しつつある」という事です。特に長い伝統を持つ諸研究機関の広領域化・総合的視点への取り組みに傾聴すべき多くの展開がありました。
 ただ、「いい仕事をしているのに、もう一段の突っ込みがあれば全く違った展開が有りそうなのに、そこに気付いて居ない」「いくつかの研究グループは研究展開の総合的な視座に少し欠けるのではないかといった憾みのあること」にも気付きました。また、「努力は自分がするもので、評価は他人がするものである(自分がするのは自己点検で、評価ではない)ことが自覚されていないこと」が気になる場合が時としてあったことです。
 これらのほとんどは、研究主幹・研究部長などの指導力量の一段の向上・視野拡大によって短時間で解消される事であり、研究所の所長・部長の方々の指導力の一層の発揮に期待したいと思います。


 管理機構の運用について、出来るだけ簡素に迅速に日常の業務を運ぶことの努力を第1期の経験をもとに、次の展開のために準備し始めていきたいと思います。
 「書類をなるべく少なく」「ハンコの数は起案者・チェッカー・最終権限者の3つを目指す」「形式的な点検評価を最小限にして、研究責任者の適切な自己点検と研究所長・本部長自筆の評価書と理事会評価」「事務に関しては、Haste Not, Rest Not(急がずされど休まず)ではなく、適切迅速に処理するルールを考える」「法人でなら可能かもしれない専門性の高いスタッフを外部から招く」といったことも考えてみてほしいと思います。


 今年は,第一期の実質の仕上げの年になります。
 今までの3年間の努力は,プロセス向上についての努力でした。立派な進展であったと思います。しかし、第4年目は「それがどこに行くのか」研究の目的・成果の出口をしっかりと意識して事に処す段階に進みたいと思います。個人の力を組織としてどう結集できるかを固める年と思います。研究の「Out put」だけでなく「Out come」をどのように求めるかまで来て、始めて「総合研究機構」は態を成すと思います。「単なる付加価値の獲得でなく、科学技術の基本に根ざして、明日の北海道を作る基盤を固める」ことが出来るでしょう。道内最大の『科学技術研究集団』の一つとして、税金で働く公設研究機構の構成員として、『文明の基本価値の獲得と洗練』に力を傾注して、多様な社会・産業活動の土台を固めたいと思っています。健康に留意して、今年も「Haste Not、 Rest Not」で歩み続けましょう。『各員の奮励努力に期待します』

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プロフィール
HN:
丹保憲仁
年齢:
91
性別:
男性
誕生日:
1933/03/10
趣味:
カメラ
自己紹介:
・主な経歴
 水の安全保障戦略機構議長
 日本水フォーラム副会長
 北海道大学名誉教授(第15代総長)
 放送大学名誉教授(第5代学長)
 第89代土木学会会長
 第2代国際水協会会長
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